2011年度:問題分析ゼミ[9]

2011年度の問題分析ゼミ第9回の概要です。

日時:2011年6月28日(火) 16:20~21:00
会場:明治大学リバティタワー8階1081教室
参加者:20名 江下、高橋G(5)、小玉G(5)、荻野G(5)、松井G(5)

1 オープンキャンパススタッフ募集
8月25・26日のオープンキャンパスで、受験生の質問に答えるスタッフを募集。

2 6月24(金) リクルート相談会 @1031教室
時間 18:45~20:15

3 輪講
(1) 上松班の発表
課題本:和田充夫ほか『地域ブランド・マネジメント』(有斐閣)
発表者1:渡辺 第1章 地域ブランド・マネジメントの視点
第2章 地域ブランドの計画プロセス
【概要】
地域格差により注目された地域ブランドは、従来の一過性の経済拡大を目指すものではなく、長期継続的思考の地域ブランド化が必要となる。それには、人々の情緒性と結びつくような「場」を通じた「経験」として提示される価値が重要になり、そうした「場」を作ることが必要である。また、地域ブランド構築の枠組みは、便宜・基本価値よりも概念・感覚価値に重きが置かれる。そうした長期的な発想を元に地域内外や企業とのコミュニケーション、あるいは全国発信をするなど独りよがりにならない計画が必要である。

発表者2:江草 第3章 地域ブランドの評価と目標設定
第4章 地域ブランド・コンセプト
【概要】
地域ブランド・コンセプトの開発では、地域内外両方の視点から地域の強みを知ることで独自性を見出すことが重要である。地域資産を精神的価値へと転換させるような独自のテーマ開発をしていかなければならない。そして、それは体験価値と結びつくコンセプトでなければならず、開発には、クリエイティビティが不可欠である。

(2)髙橋班の発表
課題本:石澤靖治『テキスト現代ジャーナリズム論』ミネルヴァ書房
発表者1:鈴木 第1章 ジャーナリズムの基本的なメカニズム①-ニュース報道の視点から
【概要】
客観ではない事実へのフレーミング。そこに問われるのは、ジャーナリズムの報道姿勢である。即時報酬と遅延報酬の為にエンターテイメント性を基準に行われる報道。そのエンターテイメント性は、文化が変わればその価値観も異なることから、非常にドメスティック性であると言わざるを得ず、ニュースには「国境」が存在するといえる。

発表者2:髙橋
第2章 ジャーナリズムの基本的なメカニズム②-権力の視点から
第3章 その他の特性
【概要】 ジャーナリズムは権力をもつと考えられている。それは、報道が社会に影響を与えるからである。しかし、ジャーナリズム自体が何らかの力を行使できるわけではない。報道に対してリアクションがあって初めてジャーナリズムは権力たりえるのだ。そして、閉じた産業であるブラックボックスさがその権力を補強している。

(3) 小玉班の発表
課題本:山中茂樹『震災とメディア―復興報道の視 点 』(世界思想社)
発表者1:中村 第1章 温度差
【概要】
自然災害の復興報道には、被災地とそれ以外の地域での温度差が浮き彫りになる。阪神淡路大震災では、震災から2ヶ月後に起こったカルト教団・オウム真理教による地下鉄サリン事件も風化を早める大きな要因となった。新しさやわかりやすさを求めるニーズに対して地元でした関心が持たれず学問的な意識と判断力が必要となる復興報道では不一致が起こる。報道の現象は、まだ復興途中である実態が報道されないとする被災者と法的支援を受けていることで災害支援はもう終わったとする被災地以外の人々と意識の違いを生むことになるのである。

発表者2:吉田 第2章 正常化への偏見
【概要】
震災で情報産業のもろさを痛感した。マスメディアの影響力は極めて大きく、「関西安全神話」は、マスメディアが生み出したともいえる。そうして地震への関心が低下しながら地震発生後自らの無知を忘れて批判する現象が起きた。正常化の偏見が都合のよい解釈を生みだした。

発表者3:中村 第3章 二項対立
【概要】
死傷者を出さないことを基本とする「防災論」と装丁が衣の災害が起きた時、その後の対策も必要とする「復興論」は対立する。また、阪神・淡路大震災では、被災地である関西メディアと中央集権の本拠地である東京メディアの間にも報道の対立が起きた。この大震災では、被災地と非被災地の人々との意識差など、多くの二項対立、温度差が浮き彫りになった。

4 サブゼミ 業界新聞発表 発表者:森井、中澤、嶋田、林、チョン、鳥丸、生方、上松、松井

以上
文担当 高橋
編集担当 書記 秋元