2012年度:問題分析ゼミ[21]

2012年度の問題分析ゼミ第21回の概要です。

日時:11/6 16:20~20:20
会場:明治大学リバティータワー9階1098教室
参加者:全19名 江下、高橋、舘G(3)、中村G(5)神谷G(5)政岡G(5)
欠席者:2名

活動内容
1 業界研究 個人発表
2 POSとはなにか
3 企業プレゼンについて
4 就活について

1 業界研究 個人発表
(1)佐藤 テーマ『品川駅におけるカフェ利用』
鉄道利用客の現象によって、01年ごろからJRが鉄道以外の商業を目的として注目した「エキナカ」を題材とした発表。はじめに狭い商業スペースを有効に使うための工夫やエキナカ特有の鉄道利用者への配慮について触れた。その上でフィールドワークをもとに、利用客層に合わせたエキナカ作りの可能性について研究を深めた。

〈コメント〉
着眼点や研究視座は良い線を行っているが、ここまでくると少し欲張りたい。客単価や回転率の観点から見ても、昼のサンプルがやはり欲しいところ。エキナカではない、普通のカフェ・喫茶店の場面情報と合わせて比較すると面白いものになる。続きはJJで。

(2)中村 テーマ『Family Mart 店内ディスプレイ研究』
コンビニは客を長期滞在させ、+1商品を狙う必要がある。そのためコンビニには、人間の行動心理に基づくディスプレイの基本形がある。さらにディスプレイには、立地や客層による店舗毎の変化や工夫があるのではないか、という問題提起に基づき、有名コンビニチェーンの中でも比較的自由度の高いFamily Martを対象にフィールドワークを行った。そして、商品ラインナップやレジ横商品に店舗毎の工夫が見られることを発見した。

〈コメント〉
ここからさらに研究を深めるとすれば、セブンイレブンやローソンといった別のコンビニチェーンと比較し、ディスプレイの基本形に違いが見られるのかという点を検証する方向性もある。他にもレジの並び方や並ぶ位置に着目し、レジ横だけではない+1狙いの商品に注目、それらをパターン化することが出来ると良い。続きはJJで。

(3)舘 テーマ『小栗旬はなぜ売れたのか』
同世代の俳優に比べ、俳優歴が長い小栗旬。自身の経験や検索ワードランキング、mixiの年別書き込み数から2007年にその人気に一気に火がついたという観点から、2007年を中心にその活動を研究した。そしてファンを5パターンに分けた上で、それぞれの特徴を探った。さらには役柄を選ばない姿勢や演技の幅広さに言及し、その活躍の要因に迫った。

〈コメント〉
リサーチという観点から3点の言及があった。1点目はmixi書き込み数のデータについて。それが小栗旬のみに見られる特徴であると説明するには、mixiの利用者数などにも気を遣う必要がある。2点目は「今なお高い注目度」を保つという説明について。発表データを見ると2007年をピークに活躍が下火になったとも取れなくない。その説明には別のデヴィデンスが欲しい。3点目は別の俳優との比較をもとに、小栗旬という俳優のポジショニングを確定させたい。同年代の俳優やイケメンだが汚れ役ばかりをやるような俳優の活動を洗ってみると良い。また汚れ役と別軸の要因を一つ見つければ、より良い発表になる。

2 POSとはなにか
販売時点管理と日本語では訳される。そもそもは万引き等の犯罪が多く発生したアメリカで、店の金銭管理を行うためにレジが開発され、その後高度化したのがPOSシステムの大元となった出来事。ECRというシステムを用いて販売管理が行われ、さらにマーケティングに利用しようという考えからPOSシステムが作られた。
日本においては、このPOSシステムはかなり遅れた段階で導入された。日本はそろばんという金額計算のツールがあり、万引き等の犯罪も少なかったため、そもそも導入する必要性があまりなかったためである。しかし、少しでも利率を上げるためにマーケティングというものが叫ばれるようになる。そこでPOSが導入され始める。はじめに日本でPOSが導入されたのはガソリンスタンド。単一品目のみを扱っていた事、系列化が進んでいた事、販売状況を知ることに強い必要性があったことが、素早い導入に至った大きな要因である。その後、コンビニやファストフード、クロネコヤマトなどにPOSは普及していく。しかし、日本にはバーコードというものが普及していなかったため、忙しいレジ打ちに問題を与えた側面もあった。その結果、日本にもバーコードが導入され、現在のようなレジのスタイルが確立した。
現在はRFIDというICチップを使った会計システムが注目され、本格的に導入されればレジ打ちの必要がそもそもなくなる可能性もある。

3 企業プレゼンについて
MROCとCOI、結局どちらが題材なのか、という質問を受けて
〈コメント〉
MROCとCOIは根本的に全くの別事項というわけではない。違いとして、MROCは企業主導の調査であり、COIは消費者たちがただ趣味について語り合うだけの場であるということ。COIはmixiのコミュニティのようなもの。企業側としてはCOIのような、消費者や利用者のより生の声、それに近いものを得たい。しかしMROCのように企業が介入、調査という形をとることによって、正確なサンプルや実態をつかむことは難しいという事態が起こりうる。そこでどのような仕掛けを用意すれば、企業側はより正確な消費者たちの生の声を得ることが出来るのか、そのような調査を行えるのか。そこをポイントとしてプレゼンの内容を固めていけば良いのではないか。

4 就活について
12月から本格的に始まる。業界によって例外はあるものの、12月の企業説明会は実のところ企業としても、後の企業説明会のための練習期間である場合が多い。よって12月から焦って説明会を詰め込むことは、それほど効率的であるとは言いがたい。それよりもゼミや授業を真剣に受け、後の面接等で話せるネタ作りに当てた方がよほど効率的である。そして、1月の定期テストを終え、そこから就活を本格的に始動すればいいだろう。2月はESを多く書く期間になる。そして3,4月からが就活の本番というのが実態である。あまりに焦って就活を始めた結果、その本番で息切れしてしまうというパターンが最悪である。
一方で、SPIの勉強は継続的にしておくと良い。就活は結局、最後には運の要素も絡む。しかしその運の要素をより減らし、合格確率を高めることは可能である。そのためには筆記試験を通すこと、次のESを通すことが大前提となるからである。
ESにおいて陥りがちなミスは志望動機が具体的でないということである。仕事とは「段取り」と「人の関わり」である。そこを自分の可能な限りで調べ、知ることで「自分が本当になにをしたいのか」という自己対話を行うことが、より具体的な志望動機を作り出すために重要となる。ESとは映画の予告編のようなもの。自分のクライマックス全てではないにしろ、それを見せて相手の興味を引く必要がある。そのためにも、具体的なエピソードが必要となる。

以上
文責:政岡
確認:佐藤