2018年度:問題分析ゼミ[5]

2018年度の問題分析ゼミ第5回の議事録です。

日時:2018年5月15日(火)15:20~20:00
会場:明治大学リバティタワー13階1131教室
参加者:21名 江下、高橋、山本G(4名)、星野G(6名)、中島G(6名)、土屋G(5名)
欠席者:1名

1. 連絡事項
・レジュメ作成の際、主体と客体や視点の揺らぎに気を付けること。漢字をコウイカ的に使おう。
・次回からの発表は敬語を使わずに行うこと。

2. グループ発表
(1) 星野グループ
課題本:音響メディア史
発表者:宮重
発表範囲:13章 新しい楽器
【発表の概要】
電気を用いた楽器が新しい楽器として音響技術に影響を与えた。鍵盤をつけたシンセサイザーがリアルタイム操作を可能にしたことで、「電子機器の楽器化」となった。また、シーケンサーなどの新しい「楽器」によって、電子楽器における音楽制作も可能になった。

発表者:星野
発表範囲:14章 音を創造する飽くなき探求
【発表の概要】
電気録音が登場すると、スタジオで録音編集を施されたレコード音楽が流行した。編集で現実離れした音楽は人々の音に対する認識を変化させたのである。また、デジタル環境が整うと、個人的に音を操作することが可能になり、音楽に用いられる音が多様化した。どんなものでも音声データで扱える今、あらゆる音が音楽に用いられるのである。

発表者:温井
発表範囲:15章 音響メディアのつかいかた
【発表の概要】
これまでとは別の角度、音響技術の進化が私達の文化に与えた影響を批判的に検証された芸術表現を用いながら再考していく。

(2) 山本グループ
課題本:映像文化の社会学
発表者:田中
発表範囲:10章 警察と軍事における映像文化
【発表の概要】
写真術による司法写真の台頭で個人特定の方法は身体をイコン的な類似に基づいて情報化していった。軍事における映像文化は軍事行為をゲーム化することで戦争が清潔で美化されたものだとし、日常生活においては監視カメラの偏在化によって我々が常に監視されている状況を生み出し、我々に不安と恐怖を与えている。

発表者: 清水
発表範囲:14章 アニメーションという映像文化
【発表の概要】
生命を吹き込むことを本領とするアニメーションは、静止画に「動き」を与える動画合成としての特性を強めた。動画合成という映像技術にこだわり、常に新たな展開をみせてきた映像文化であるアニメーションは、デジタル技術の発展が著しい時代において、今後もさらに進化し続けていくだろうと考えられる。

(3) 中島グループ
課題本:エジソンと映画の時代
発表者:鯉渕
発表範囲:5章 複製技術時代のサラ・ベルナール
【発表の概要】
テクスト化された歴史と再構築・解釈されようとする歴史とは、同じ物語が繰り返し語られるたびに隔たり生まれる。歴史は新しい研究、データ、情報、新しい視点、方法によって刷新されなければならない。サラ・ベルナールの文化的な存在意義と、映画とメディアにおける彼女のキャリアも新しく考え直す必要がある。

(4) 土屋グループ
課題本:メディア技術史
発表者:藤中
発表範囲:9章 開かれたネットワーク
【発表の概要】
インターネットは、普及に伴い法律による規制や「閉ざされた」ソフトウェアのアクセス規制によって中立性が脅かされているが、ユーザーのハッカビリティが発揮される限りその豊かさは保証される。

発表者:篠崎
発表範囲:10章 手のひらの情報革命
【発表の概要】
 携帯電話は電波の接続技術と多機能化によって発展してきたが、他のメディアと違いそこにはアマチュアと呼ばれる人が存在していないという点でとても特殊なメディアである。しかし、特殊であるがゆえに携帯電話の発展の過程を研究することでこれからのメディアにおける開発者利用者の関係が分かるかもしれない

発表者:土屋
発表範囲:11章 誰のための技術史?
【発表の概要】
常にメディアの発展に関与してきたアマチュアの存在は、技術の秘匿性の向上とインターネットの普及により技術面からインターネット上での表現へと活動の場を移している。自由な表現が可能である今、メディアリテラシーを深く理解し、社会的に高めていくための手段としてメディア技術史を学ぶことが有効である。

3. 反省
本の最終章が多く、そのまとめの内容が多いのに、それに対しての質問が少なかったように感じた。

文担当:中島、宮重
編集担当:中島、宮重