2018年度:問題分析ゼミ[12]

2018年度の問題分析ゼミ第12回の議事録です。

日時:2018年7月3日(火)
会場:リバティタワー13階 1131教室
参加者:22名 江下、高橋、山本G(4)、星野G(5)、中島G(6)、土屋G(5)
欠席者:2名

1. 連絡事項
夏合宿中の研究発表における文科会をなんとなく決める。
テーマ探しを始める。

2. グループ発表
⑴ 星野グループ
課題本:「日本レコード文化史」(2006)
発表者:美濃和 発表範囲:6章
【発表概要】
ファシズムが台頭した日本では検閲によって大衆音楽や洋楽が排除され、レコードはもっぱらプロパガンダに用いられた。このような文化統制の影響で敗戦するころにはレコード業界は荒廃していた。

発表者:宮重 発表範囲:7章
【発表概要】
戦後の経済に伴ってレコードの売り上げは変化した。技術の躍進により、テープレコーダー、LPレコード、CDの登場、さらにはインターネット上での音楽のデータ化が実現した。

⑵ 山本グループ
課題本:「テレビが見世物だったころ」(2016)
発表者:田中 発表範囲:2章
【発表概要】
テレビジョンの研究は帝国科学の権威になった。
早稲田と浜松高工の技術競争は当初早稲田の機械式テレビジョンが注目を集めたものの、アイコノスコープの発明によって浜松高工のブラウン管式テレビジョンが主流となった。

発表者:白取 発表範囲:4章
【発表概要】
放送史、マスコミュニケーション史の視覚によると、日本のテレビジョンにとって総動員体制下の抑圧的な状況は、多くの場合研究開発の「挫折」や「断層」として強調される。しかし、それはむしろ、戦争に向かう1930年代の軍国主義の中で形成されてきたものだった。1920年代から30年代にかけて、日本のテレビジョン技術は、天皇制を土台とする国家体制と不可分にかかわりながら、権威ある科学技術(=ナショナル・メディア)として広く認知され、発展していった。

発表者:山本 発表範囲:5章
【発表概要】
1946年6月にテレビジョン研究の再開が可能になり、1950年11月にはNHK技術研究所から定時の実験放送が開始された。正力松太郎はNHKに先立って日本テレビ放送網を設立したが、先に開局したのはNHKであった。街頭テレビは公開実験を日常化したものといえ、地域のつながりによって受像機が普及した。アマチュアは受像機をいち早く家庭へ導入したことでその普及に重要な役割を果たした。また、地方ではケーブルテレビの自主放送といった都市とは異なるメディアが登場した。

⑶ 中島グループ
課題本:「ピアの時代」(2013)
発表者:中島 発表範囲:5章
【発表概要】
Pffスカラシップで選ばれた風間志織はプロの指導を受け、pff1985にて「イみてーしょん、インテリあ。」を上映し、このとき初めて日本の監督特集であるマキノ雅裕特集を行った。
1985年にはレンタルビデオが普及し、排他的な業界であった映画業界の壁が崩壊したことにより、順調に拡大していった。これを受け、pff1986ではビデオ化された作品を取り扱うなど、新しい取り組みがなされていった。

発表者:嘉山 発表範囲:6章
【発表概要】
PFFの活動により企業メセナ大賞の特別賞を受賞したり事業拡大によって、ぴあを志望する新入社員は増え、入社してくるものもエリートばかりになった。組織は巨大化し社内機構は洗練されてきたが、サラリーマン化したことにより創業当時のような熱気が失われるようになったと感じつつあった。今ぴあは原点に立ち返ってその熱気を取り戻そうとしているのだ。

⑷ 土屋グループ
課題本:「日本映画史110年」(2000)
発表者:篠崎 発表範囲:8章
【発表概要】
日本映画産業はテレビの急速な普及により1960年をピークに徐々に衰退していった。しかしその反面、大手性格会社を離れた監督が独立プロダクションで活動する機会が増えたことも影響し、ピンク映画や仁侠映画がジャンルとして確立された。

発表者:土屋 発表範囲:9章
【発表概要】
70年代、日活のロマンポルノ路線への転身により、新人監督に撮影の機会が与えられるようになり、また東映の現代アクションものも盛り上がっていった。さらにドキュメンタリー作品も急激な発展を遂げていった。

発表者:太田 発表範囲:10章
【発表概要】
1980年の日本映画の特徴づけた事態は、スタジオシステムの機能停止への近づきであった。その影響は映画の製作・配給・興行において顕著となった。

発表者:興梠 発表範囲:11章
【発表概要】
90年代に起きた様々な混乱は、映画製作に関連していた企業の撤退やインディーズ専門の映画館の経営難による閉鎖など、日本映画へと影響を及ぼしていた。しかし、90年代は50年代以来、連続して国際映画祭で日本映画が評価された年代でもあり、新しいインディーズの監督たちも活躍するなど、アジア的文脈の中に自己を位置付ける事を学んでいった。

3. ゼミ合宿発表準備
テーマ決め(候補)
・山本班「ドラマにおける女性の描かれ方」
・土屋班「snsとマーケティング」「双子コーデ」
・星野班「e-sports」「宝塚」「安室奈美恵」「フリースタイルラップ」
・中島班「ブラックボックス展」

4. まとめ
 全体でのテーマ案の発表を聞いて、かなり興味深いテーマが出てきているなという印象を受けた。各テーマ案に対する先生のコメントも加味して、発表に向けての準備を進めるべく、テーマを早く決めなければと思った。

編集担当:土屋