2020年度:問題分析ゼミ[15]

2020年度問題分析ゼミ第15回の議事録です。

日時:2020年10月13日(火)15:20-17:50
会場:zoom
参加者:19名
江下、矢野G(5名)、三ツ松G(6名)、佐藤G(5名)、安藤G(5名)
欠席者:3名
遅刻者:0名

1 連絡事項
木曜に来年度ゼミ生へのゼミ紹介あるため、Twitterなど引き継ぎをしておく。

2 グループ発表
(1) 矢野グループ
・発表者:若松
・課題本:『テレビが映し出した平成という時代』
・発表範囲:三章

[概要]
ニュースステーションが中学生にもわかるニュースをコンセプトに開始した。番組には三度危機が訪れたものの、高視聴率をキープした。この番組では意見の対立を肯定するという考えがあり、そこからブーメランデスクの発想に繋がった。ワールドビジネスサテライトは国内初の本格的経済ニュース番組だった。国際提携をするなど斬新であり、始めは視聴率がなかなか目標に達成しなかったが、最終的には良質な経済ニュース番組を成功させた。サンデープロジェクトは三人の首相を辞めさせた伝説の番組と言われた。いずれの回でも対談した田原氏は、テレビの影響力の強さと意外な政権のもろさを感じたという。時事放談では政治に物申すテレビ長老を呼んでじっくりと話をきいていたが、テレビ長老の人材不足から政治討論番組は消滅していった。

(2) 佐藤グループ
・発表者:田邊
・課題本:『総中流の始まり』
・発表範囲:四章

[概要]
1960年代になると、街頭テレビから、一家庭にひとつテレビがある状況になった。テレビ視聴と家族談笑の関係を明らかする調査が行われた。また当時は専念視聴よりもながら視聴が主流であった。テレビの視聴時間は家での余暇時間と関係していた。読書時間には学歴が大きく関わったが、テレビにはあまり関係なかった。テレビを囲むことは一億総中流という時代の生活文化を共有する場を提供した。

(3) 三ツ松グループ
・発表者:初沢
・課題本:『「平凡」の時代』
・発表範囲:三章

[概要]
『平凡』が休刊にいたるまでについて。『平凡』はテレビの普及と共に歌と映画の娯楽雑誌ではなくなっていった。テレビによって映画の特別感が希薄化したことで、娯楽月刊誌も衰退していった。テレビは当時の流行歌を支えたため、アイドルやテレビタレントの存在が強まった。それに伴って『平凡』でもグラビアや芸能人の記事が増え、女子中高生を読者層とするようになった。一方でテレビと互いに補足する存在として週刊誌ブームが到来し、創刊された『週刊平凡』ではテレビの中にいる人はみなスターという風に、スターの位置付けを変化させた。これはテレビのある茶の間の娯楽雑誌となっていた。コンセプトの違いから両誌の共存が難しくなり、1987年に『平凡』は休刊した。一方で当時ライバルであった『明星』は全盛を迎えていた。スター第一主義の『平凡』に対してスターの卵を取り上げる『明星』は成功し、あらゆる方法で『平凡』を休刊に追い込んだ。また『平凡パンチ』は消費に基づいた若い男性がターゲットで、『an・an』はその女性版であった。どちらも雑誌自体が広告となっており、広告にならないことが『平凡』が休刊に至った一要素とも考えられる。

(4) 安藤グループ
・発表者:小野寺、倉澤
・課題本:『趣味とジェンダー』
・発表範囲:5.6.7.8章

[概要]
子供の科学は少年向けで男性が多く登場した。この章では中でも男性の趣味の代表例として工作・鉄道趣味の歴史的変遷について扱っている。まず工作は、科学と結びつくことによって手工から工作とされるようになり、教育面で注目された。しかし戦時中は軍事色が強まった。また鉄道については、元々少年達の注目はミリタリーなものに集まったが、敗戦により鉄道趣味が残ったと考えられる。記事内容については、戦前は鉄道の仕組みを科学的に理解することや模型製作に注目が集まった。戦中は軍事色が強まり鉄道を兵器として扱うようになった。戦後は軍事色が薄まり、誇りを示す要素とされるようになった。またこの頃から娯楽性や趣味性が重視されるようになった。いずれの時代にも共通することとしては、作ることが重視されていた、ということである。また工作記事としては、ラジオ、鉄道、その他の乗り物の記事が多かった。これには先端技術を学ぶことに繋がる、動くものが作れるため興味関心が集めやすい、科学戦士として国を担うことに繋がるといった理由が挙げられる。戦時下において、軍事兵器に繋がる科学が重視され、軍事と強く結びついた。『子供の科学』は、子供を科学に動員する装置とされた。また少女にとっての家庭科と少年にとっての工作は戦地と教育の場の間において、真逆の方向の媒介性を持っているという特徴があった。また1950年代の模型工作の営みや理由付けについては、『世界の航空機』や『航空ファン』のような雑誌が登場する中、科学や軍事との結びつきを捨てることなく近代的な理念が語られたことによって、男性的な自作趣味としての認識が定着することとなった。


2 反省
ブレイクアウトルームに分かれた時点での時間をしっかりと把握しておかなかったために
戻る時間が分からなくなってしまう事が何度かあった。

作成:安藤
編集:佐藤