2008年度:問題分析ゼミ[7]

2008年度 第七回江下ゼミ(問題分析ゼミ)議事録

日時:2008年6月10日(火)16:20〜18:10
会場:明治大学リバティタワー9階1098教室
参加者:全20名
江下(教員)、樋口班(6名) 加藤班(6名) 隅田班(7名)
欠席者:1名

1 連絡事項
・今後の予定について説明があった。
 グループ発表の日程
 6/17 2回目(できれば3回目それ以降は繰り上げて発表)
 6/24 3回目、4回目
 7/1 5回目、第4回研究会
 7/8 6回目、7回目
 7/15 雑誌研究発表
・先生に連絡する際は研究室直通電話に連絡すること。いない場合はmixiメッセージを利用すること。

2 個人発表
(1)杉浦の発表
課題本『ポピュラー音楽入門』(キース・ニガース著)
【発表内容】
サブカルチャー理論についての説明があった。欧米ではサブカルチャーは下位集団のものであり、既存の慣習などへの反発や社会的地位の獲得の手段であった。サブカルチャーの問題点として、男性中心であることと、商業的操作の有無が挙げられるとの説明があった。

(2)高橋の発表
課題本『写真の歴史』
【発表内容】
写真の誕生、技術、利用スタイルについての説明があった。1893年に誕生したダベレオタイプは特許で守られていないため、改良が進められ、写真の発展に結びついた。写真の利用スタイルは、初期の肖像画から、建築や風景、科学分野、身元特定のツール、商品の宣伝などにも用いられるようになり、スナップ写真が登場することで身近な存在になったとの説明があった。

3 グループ輪講
3.1 発表内容
(1)樋口班
発表者:赤塚
課題本『ケータイ・ネットを駆使する子供、不安な大人』(渋井哲也/著、長崎出版、2005)
発表の範囲:第一章 長崎佐世保市の小六女児殺害事件から見えるもの
【発表内容】
長崎佐世保市の事件を通して、ネットの危険性についての説明があった。子供のネット利用を危険視する大人が多いが、何が危険なのか理解しておらず、子供が同じ部屋でネットを使用している場合は油断してしまう。事件の報道では子供のネット利用が問題視されたが、ネット利用時の怒りは顔見知りに対して感じることが多く、事件の当事者はオンラインでもオフラインでも交流があったので、問題はオフラインでのコミュニケーションにもあるといえる。ネットの危険性を訴えるのではなく、子供と知識を共有すべきとの説明があった。

(2)加藤班
発表者:廣瀬
課題本『動物化するポストモダン』(東浩紀著 講談社現代新書 2001)
発表の範囲:オタクたちの擬似日本
【発表内容】
オタクとは新たなサブカルチャーの担い手である。宮崎事件によるオタクバッシングによって、オタクはオタクであることを意識するようになった。戦後、伝統的アイデンティティを喪失した日本人は、日本伝統文化と親和性のあるサブカルチャーによってアイデンティティを取り戻したように見える。しかし、サブカルチャーはアメリカの輸入品であり、それに日本文化を上乗せしただけである。こうした状況は擬似日本であるとの説明があった。

(3)隅田班
発表者:石井
課題本『ニートって言うな!』(本田由紀・内藤朝雄・/後藤和智著、光文社新書、2006) 
発表の範囲:第一章 「ニート」のイメージは間違っている
【発表内容】
「ニート」は働く意欲のないひきこもりだとイメージされているが、実際は普通の若者である。若者を「ニート」を用いて区切ることは、若者の支援の仕方にも悪影響を及ぼす。よって「ニート」は若者の就労問題を議論するのに不適当であるとの説明があった。

3.2 発表に対するコメント
・樋口班:始めに発表の概要を話すこと。緩急をつけて話すこと。発表用資料が簡略化しすぎているとの指摘があった。
・加藤班:ポストモダンについての説明を加えた方がよい。クレジットは大きくする。資料の最後の二枚が見出しになりすぎているとの指摘があった。
・隅田班:「ニートとは...」の説明を加えた方がよい。三枚目以降の資料が説明の内容とずれていたので対応させるべきとの指摘があった。

4 八木啓代さんの講義

以上

文担当:隅田班 石井