2008年度:第6回研究会「企業の広報業務」

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第6回研究会は、企業の現職広報部長を招き、企業における広報業務の実際を話していただきました。

第6回研究会 企業の広報業務

講師:都内の企業広報部長
日時:2008年11月25日(火)16:20〜17:50
場所:明治大学リバティータワー9階 1098教室
参加:講師、江下(担当教員)、学生(江下ゼミ20名)

1 広報業務の概要
「広報」と聞くと「宣伝」のイメージを抱くかもしれないが、英語にすれば「Public Relation」つまりオオヤケとの関係づくりが業務となる。この場合のオオヤケとは、企業にとってのステークホルダー(顧客、投資家、取引業者、従業員、地元)であり、これの人びとの話を聞くこと、あるいは自分たちの情報を伝えることが業務の基本である。ただし、マスコミの対応窓口という狭い意味での広報業務を担当するのが広報部門という認識もある。

2 最近の広報部門
 広報的な業務は広報部だけでおこなっているのではない。広告は宣伝部、顧客からのクレーム対応には「お客様相談部」などのセクションが受け持つ場合が多い。ただし、これら広い意味での広報戦略を統括するため、Corporate communicationとして部門を統合する企業も出てきている。

3 日常業務
 基本的にはパブリシティ業務と広聴機能が柱となる。前者は記者会見の実施やプレスリリースの発行が中心である。広報部員としては、自社の立場を十分に理解してもらうことが重要だ。後者については、ネガティブな情報の収集が重要になる。そのために、他社や官公庁との情報交換が不可欠である。また、最近では社内広報も重要な業務となっている。

4 広報業務に要するスキル
 特殊なスキルは求められないが、健全な社会人としてのバランス感覚がきわめて重要。また、自社や業界のことを日頃から勉強し、情報が集まってくる人にならねばならない。

5 PR企業について
 日本では広告の製作を広告代理店に委ねるのが一般的だが、広報業務は自社で担うのが普通である。しかし、欧米ではPR企業がパブリシティ業務を受託する場合が多い。日本でも、記者会見のトレーニングなどPR企業が関与する例はあるが、欧米に比べるときわめて少ない。

以上