2009年度:問題分析ゼミ[8]

2009年度 第9回江下ゼミ(問題分析ゼミ)議事録
日時:2009年6月22日(月)16:20〜20:30
会場:明治大学リバティタワー9階1091教室
参加者:全21名
江下、宮沢G(5名)、安永G(5名)、高橋G(5名)、深井G(5名)
欠席者:なし

1 連絡事項
・7月13日(月)6限に4年生の就活体験談がある。
・6月29日から現時点でどのような進路を希望するかについて個人面談を行う。

2 輪講
(1)宮澤班の発表
課題本:山岸俊男『安心社会から信頼社会へ』(中央公論新社、1999)
発表者:吉坂
発表範囲:第3章
【発表の概要】
 社会的不確実性が小さい場合は「安心」が成立する。逆に社会的不確実性が大きい場合は「信頼」が必要になる。社会的不確実性にコミットメント関係は有効であるが、コミットメント関係により限られた関係の中で外部が見えなくなってしまうという欠点がある。

(2)高橋班の発表
課題本:今井賢一『情報ネットワーク社会』(岩波書店、1984)
発表者:高橋
発表範囲:第3章前半
【発表の概要】
 テクノポリスは、インフラストラクチャーと経済社会の新しい生活様式をつくることを目的としている。そのためには誰もが技術に容易に接近できるような仕組みが必要である。また技術革新は分業の細分化を推し進め、それが新しい仕事の源泉につながっているのだ。

発表者:宗像
発表範囲:3章後半
【発表の概要】
 情報ネットワークのインフラにおいて、企業は多様な資源を多重に活用し、連結することが求められる。また創発的なネットワークを作り、現場情報の発掘と連結をうまく行うことが重要である。また「参入障壁」というものがあり、これが市場の構造を決めている。

(3)安永班の発表
課題本:増田直紀『私たちはどうつながっているのか』(中央公論新社、2007)
発表者:由利
発表範囲:第5章
【発表の概要】
 ネットワークには多くのつながり(枝)を持つハブが存在するが、そのネットワークには能力による不平等さが存在する。そしてスケールフリー・ネットワークの枝数は偏っている。薄い人間関係の場合はハブが存在するが、濃い人間関係の場合にはハブは存在せず、スケールフリーにはならない。

(4)深井班の発表
課題本:金子郁容『ボランティア --もいひとつの情報社会--』(岩波書店、1992)
発表者:大塩
【発表の概要】
 経済的な価値というのはわかりやすいが、ボランティアの価値は関係性、信頼性の上で成り立つものであるのでわかりにくい。しかし、人間の関係性とは球体のように豊かなものである。「自立」とは自己決定するということであり、自己決定することでシステムの支配から脱却でき対等な関係が生まれる。

以上
文担当:柿木