2012年度:問題分析ゼミ[14]

2012年度の問題分析ゼミ第14回の概要です。

日時:2012年7月10日(火) 16:20〜19:30
場所:明治大学リバティタワー9階1098教室
参加者:全19名
江下、高橋、舘G(4)、中村G(5)、政岡G(5)、神谷G(5)
欠席者:1名

1. グループ発表
(1)地域ブランディング班
課題本:『地域ブランドマネジメント』(電通abic project編、有斐閣、2009)、『現代地域のメディア論』(田村紀雄、日本評論社、2007)
発表者:佐藤
発表範囲:研究内容の発表
【発表の概要】
・調べられる限りの熊谷の過去・現在の取り組みを収集し、全体像の把握を行った。
・同時に地域ブランディングにおける最終目標である「愛着」とは何かを以下に定義した。
・自ら選択し、所有することで唯一性を帯びたもの
・繰り返し、または長い間使われているもの
・いいイメージがついているもの
・今後はブランディングする分野、コンセプト、ターゲットを決定し、プランを練っていく予定。
【指摘】
・関東圏で競合都市(熊谷と環境条件の近い都市)を見つけ、比較していくと熊谷の特性がよりわかりやすくなる。
・「愛着を持つ」の結果が住みたいまちランキング等に表れるのでは。

(2)スポーツ班
課題本:『スポーツの誘惑とメディアの誘惑』 (阿部潔、世界思想社、2008)
発表者:舘
発表内容:分析結果の発表
【発表の概要】
・メディアはホモソーシャルを美化する傾向にあり、スポーツにおいてはナラティブに語られる。スポーツ内のホモソーシャルに一番近い存在は女子マネージャーだ。女子マネージャーはナラティブを助長すると考え、メディア(主にマンガ)によって描かれた女子マネージャー像を①女子マネージャーの立ち位置は集団内で上か下か、②異性を意識しているか否かの二軸を用い分類した。
・分析結果は以下の通りである。
第一事象:男性部員からちやほやされ、アイドル的存在、マネージャーとしての活動が少なく、マネジメント能力が低い。(南ちゃん/タッチ)
第二事象:男性優位のためちやほやされることはなく、女子の一方的な片思いで終わる、純粋な乙女像。(とうこ/ROOKIES)
第三事象:スポーツする異性に興味がなく、純粋にマネージャー行を全うする管理者像。(あやこ/スラムダンク)
第四事象:ちやほやされるも相手にしない、みんなの癒し対象であり、母親像。(花ちゃん/風が強く吹いている)
【指摘】
・どうしてこの作品が研究対象に入っているのか(またはいないのか)を説明できるように、過去数年分のマンガ全作品から必要な要素をもとに絞っていくべき。
・作品分析ではなくあくまでキャラクター分析をするために、キャラクターマップをつくったほうがいい。
 
(3)ジャーナリズム班
課題本:『ジャーナリズムの原理』(赤尾光史・高木強、日本評論社、2011)
発表者:湯浅
発表範囲:課題本の内容、研究内容の発表
【発表の概要】
・『噂の真相』に関する文献や本誌に掲載された政治事件についての資料を収集し、発表の軸となる事件(プライバシー侵害、名誉棄損、侮辱を主とする)を以下とした。
・森善朗売春歴事件
・則定衛女性スキャンダル報道
・今後は上記二事件の訴訟について『噂の真相』が行った表現内容、裁判の争点・結果について調べ、そのうえで表現の自由と名誉棄損の問題について検討する。
【指摘】
・表現の自由かプライバシー保護、どちらに傾倒するかで結末は見える。
・公人か否かに終着点がおかれてしまう。

文担当:佐藤
編集:上田