2012年度:問題分析ゼミ[16]

2012年度の問題分析ゼミ第16回の概要です。

日時:2012年10月1日(火)16:20~20:30
会場:明治大学リバティータワー9階1098教室
参加者:全22名 江下、高橋、舘G(5)、中村G(5)、政岡G(5)、神谷G(5)

1 個人研究発表
(1)加藤:テーマ『広告』
【発表の概要】
1)概要
 広告は広告主の目標を達成するための手段だ。広告ビジネスには数多くの会社が関わっている。広告業界は格差が大きく大手による寡占が続くが、自分推したいことを見極めるべきだ。広告業界は、企業形態も仕事内容も複雑である。
2)広告ビジネスとは
 広告会社は依頼をもとに総動員で方針を決め、その方針で作成したプランを広告主に発表する。広告主の承諾を得てはじめて広告が制作される。世に出た後は広告効果を分析し次の展開に利用される。広告は広告主の目標を達成するための手段だ。
3)広告ビジネスの構成
・クライアント
・メディア(媒体社)
・マス4媒体、交通広告、屋外広告、インターネット
・広告会社
・広告戦略(PR会社、マーケティング会社)
・グラフィック(広告制作会社、印刷会社)
・CM制作
・Web制作
4)広告会社の形態
 広告の脱マスコミ依存のクロスメディア化が進む。メディアの取扱額は上位3社が53.3%を占める。大手企業によるメガ・エージェンシー化が進む。独自性強い外資系広告会社に躍進の期待が高い。広告業界は格差が大きく大手による寡占が続く。
5)まとめ
 広告は広告主の目標を達成するための手段だ。広告ビジネスには数多くの会社が関わっている。広告業界の大企業による寡占状態は続くだろう。広告業界で自分のしたいことを見極めるべきだ。多種多様な業種の中からあったものを探すべき。

〈コメント〉
・範囲が広すぎてオリジナル情報に欠けていた
・インタビュー内容と研究内容が独立しており関連性が無い
・自分なりのオリジナルな発見=本に書かれていない発見
・業界人が学生に要求するのは「日常的にどんな視点を持っているか」
・大枠は知ってて当然の話

(2)湯浅 テーマ『みなとみらい21』
【発表の概要】
1)前提知識「みなとみらい21」とは。
・横浜の西区と中区にある商業施設・ビジネス街
・みなとみらい(186ha)、TDS:TDL(100ha)
2)みなとみらい21の歴史
・1860 文化子閏の拠点
・1950 造船と物流の拠点
・現在 観光と消費の拠点
3)中央地区
・ランドマークタワー
・クイーンズモール
・オフィスビル/ショッピングモール
4)新港地区
・赤レンガ倉庫
・歴史的建築(上)現代商業施設〈下〉
5)計画的に設けられた観光導線
・ショッピングモール
・計画的につくられた観光導線
6)みなとみらい21
・都心の負荷軽減を目的とした大規模開発
・縦の高層ビルと横の商業施設による経済活性化
・観光導線によるとし空間化
・国際的観光都市を目的とした歴史遺構の保存
→計画的につくられた経済、観光の拠点
7)FWによる性年齢計測
・みなとみらいにどのような人々が訪れているのか
・観光・消費に着目するため、祝日休日に調査
・各スポットで一番人の流れがある場所を測定
・30分間、5分間おきに人の流れを写真撮影
・密度の高い3枚を測定、見た目で性年齢分析
8)以下分析
9)事前聞き込み調査
・若者20人にみなとみらい21のイメージを聞き込み
・景色夜景がきれいという共通イメージ
・目的の多くは観光・消費
・未来乗車の多くは「デートスポット」というイメージ
→ショッピングや観光を楽しむ夜景がキレイなデートスポット
10)現地聞き込み調査
・駅前のクレープ屋「平日はサラリーマン、休日は観光客の街に」
・筋トレおじさん「平日の昼はジョギングするサラリーマンもいる」
・ワールドポーターズ「映画館やゲームセンターは中高生が増える」
・ベロタクシーのお姉さん「歩いて観光して回る人がほとんど」「静かで開放的という感想が多い」
→未来場者のデートスポットと言うイメージとギャップがある
11)FW結論
・「軸線」「ヌケ」という歩行の都市アフォーダンス
・ビジネスと観光・消費という二つの都市機能
・家族連れ・カップル・友達同士のすみわけ
・空き地、広場、講演の充実
→幅広いユーザーが徒歩による観光・消費行動
12)まとめ
・ソフト化する経済拠点
・計画的な都市構造の二面性
・「歩行」を喚起させる都市アフォーダンス
・カップルだけではない幅広い利用者
→「デートスポット」という認識は一面的なもので、ユーザーにより幅広い側面を持つ経済拠点

〈コメント〉
・調査において、人とその特徴×場所のリサーチ
 例:家族連れ遊園地でじいちゃんがナンパ
  →それが実現しうるフィールドはないのか検討する
・円グラフのパイ数の上限は4。→強調(メッセージ)を付けるべき。
・円の大きさで母数を表すテクニックもあるよ!
・抽出したファクトへの考察がほしい。検証結果に対する考察は大切。
・報告書のFAO ⇒Fact / Analysis / Opinion

(2)下山 テーマ:エナジードリンク
【発表の概要】
1)概要
 エナジー飲料の引用目的は「テンションアップ」である。既存の栄養ドリンク市場は定番商品の独壇場で、コンビニの栄養ドリンク棚ではレッドブル優勢である。今後エナジー飲料の多様化進行の予感がある。利用シーンの創出がヒットにつながる。
2)栄養ドリンク市場の推移
 医療品・医薬部外品・清涼飲料水のカテゴリがある。定番のリポビタンDとオロナミンCの独壇場になっている。99年規制緩和で医薬部外品はコンビニへ販路を拡大している。レッドブルの登場で横ばいだった市場が底上げされた。健康志向により様々なドリンク剤が誕生した。
3)エナジードリンクの商品比較
 レッドブルはミニサイズ販売を機にブレイクした。バーンは甘いベリー味・モンスターは成分多めである。若者向けで「斬新でかっこいい」イメージがある。元気補給のためにコンビニで購入・バーで飲用されている。レッドブルが先行し、他商品が追随している。
4)調査概要
・対象:都内立地の大手コンビニ約30店舗
・実施期間:2012/9/.27~10/1
・利用者の属性で調査対象のコンビニを精査
・コンビニ利用者を社会人と大学生、男女で分類わけ
→コンビニにおけるエナジー飲料の陳列傾向を分析
5)調査結果
 陳列からみるエナジー飲料の引用シーンは様々であった。栄養ドリンク棚のゴールデンゾーンに陳列される傾向がある。若者の利用するコンビニにレッドブルを多く陳列されている。女性利用者が多いとノンシュガーの陳列比率が高い。既存の栄養ドリンクにとっては打撃であった。
6)まとめ
 エナジー飲料は新たな引用シーンを提案した。社会人にとってリポDがエナジー飲料になっている。浸透率があがることで今後若者の需要拡大しそう。海外商品登録で更なるエナジー飲料の多様化が見込まれる。飽和市場でもポジショニング次第で活性化が可能だろう。

〈コメント〉
・レッドブルのポディショニングが不足していた。
・相対化と比較をもって、状況を把握することが大切。フレーム→位置

文担当:中村
編集:佐藤