2022年度:問題分析ゼミ[14]

2022年度問題分析ゼミ第14回の議事録です。

日時:2022年9月20日(火)15:20-18:40
会場:リバティータワー1141教室
参加者:18名
江下、高橋、村川G(3名)、三浦G(5名)、米田G(5名)、山岡G(5名)
欠席者:2名 
遅刻者:0名

連絡事項
・秋学期の後半に市場予測をやる予定

1 グループ発表 
(1)山岡グループ
・発表者:荒木、田島
・課題本: 「うわさとは何か-ネットで変容する『最も古いメディア』」(松田美佐、2014)
・発表範囲:1章「うわさの影響力」1-1~1-3

[概要]
1章1−1
うわさによって人々が翻弄され、大騒動になった例がいくつもある。それらは、さまざまな要因が重なり、うわさが広がっていったことで多くの人をパニックに陥らせたが、その発端は悪意がなかったものや、何気なく発した冗談であることも多い。過去の事例を参考にうわさに翻弄されないようにするためには、未確認の情報を気軽に広めたり信じないことが大切である。
1章1-2
うわさは様々な社会現象を引き起こすが、人々は必ずしもうわさに踊らされているわけではなく、合理的にうわさを理解・解釈したうえで行動している。今日、メディアの変容により噂の定義が曖昧になっている。
1章1-3
社会情勢の不安定さにより、社会不安が広く共有し、広まっていた。多くの人が同じように曖昧さを抱えてしまう災害時や非常時などは、うわさが広範囲に広がり、量的にも多くなる。
〈質疑応答〉
質問1:なぜ毎回災害時にはトイレットペーパーが無くなるという噂が流れるのか。
回答:オイルショックの際、トイレットペーパーの買いだめがメディアに掲載され、その影響で災害のたびに注目されがちになるのではないか?

(2) 村川グループ
・発表者:ショウ、村川
・課題本:「メディア不信 何が問われているのか」(林香里、2017)
・発表範囲:序章、第1章 うそつきプレス!

[概要]
序章
ネットやSNSの普及により、メディア不信がさらに深刻化している。そして、時代とともに信頼と不信の定義も改めて定義される。そこで、メディア不信は一つ大きな社会問題として人々の認識を喚起する必要がある。
第1章
ドイツのマスメディアは比較的高い信頼度を持つが、右派思想を持つ人ほど信頼度は低い。これには、戦後リベラルを推し進めたエリート層とそれに味方するように報道するメディアへの対抗が込められていると考えられる。これらの人々の声がネットに流れることで、政治にも影響すると考えられる。
〈質疑応答〉
質問無し
補足:なぜ弱い人を助けなければならないのか?

⑶ 三浦グループ
・発表者: 飛世、ハン
・課題本: 「流言のメディア史」(佐藤卓己、2019)
・発表範囲:第1章 メディア・パニック神話、第2章 活字的理性の限界

[概要]
第1章
『宇宙戦争』の放送によって始まったとされる「火星人来襲パニック」は、実は新聞報道を経て引き起こされた神話である。
第2章
第一次世界大戦の米騒動、その5年後の関東大震災での朝鮮人虐殺、この時代のデモクラシーには民主主義以外にも多くの訳語が当てられていた。その中でも米騒動と同じ1918年に登場した「輿論主義」は「世論主義」とは区別して使われていたが、1920年代の「大衆の国民化」とともに公的な意見である輿論、世間の空気である世論の区別は曖昧になっていた。

〈質疑応答〉
質問無し
補足:火星人襲来パニックはフェイクニュースなのではないかと2017年に指摘された。

(4) 米田グループ
・発表者:米田
・課題本: 『メディアと日本人--変わりゆく日常』(橋元良明、2008)
・発表範囲: 第1章 日本人はメディアをどう受け入れてきたか

[概要]
第1章
日本に訪れた過去の西洋人は、日本の情報意識について知的好奇心旺盛であり、外国文化受け入れの柔軟性が高かったと評価している。このような精神的風土の中で、新聞、ラジオ、電話、テレビ、インターネットなどのメディアを日本人がどのように受容し、発展させてきたのかという歴史を概観する。
〈質疑応答〉
質問無し
補足:印刷物の歴史で一番古いのは中国。無線は1対1、放送は1対不特定でありコミュニケーションの形態が異なる。

2 反省
各自の発表は詳細にまとめられていたが、質問がとても少なく議論が活発に行われなかった。

作成:稲葉
編集:三浦