2019年度:問題分析ゼミ[11]

2019年度の問題分析ゼミ第11回の議事録です。

日時:2019年7月9日(火曜日) 15:20〜19:00
会場:明治大学リバティタワー 1168教室
参加者:17名
江下、高橋、 、斎藤G(5名)、佐藤G(5名)、高野G(5名)
欠席者:0名

1 4年生ゼミ論文の中間発表と質疑応答
(1) 4年生(土屋グループ)によるゼミ論文中間発表
『SNS時代のアイドルとファンの関係性の変化』
(2) 質疑応答

2 グループ発表
(1) 齋藤グループ
・発表者:寺岡、稲田
・課題本:『現代文化への社会学』(高野光平、他 著、北樹出版、2018年)
・発表範囲:5章、6章、7章、8章
[概要]
第5章、第6章
CDの売り上げ低下は音楽産業の衰退を表すものではなく、単にCDという媒体の終焉に過ぎない。現在では音楽そのものよりも、音楽を通じて得られる体験が重要視されている。
ファッション業界の数的衰退は若者がファッションに興味を示さなくなったからではなく、ファッションの身体が肉体とSNS上のアバターの二つに増えたことで「ファッション」以外の要素が占めるファッションの割合が増加しているからである。
第7章、第8章
かつて「子どもの読みもの」であった漫画は戦後にあらゆる性別、年齢層セグメントをターゲットとし発展した。
ゲームの進展は問題を生み出すと同時に、現在のマルチメディアやコンピューターのシミュレーションとして機能していたことが現代から振り返ることで確認できる。

(2) 佐藤グループ
・発表者:于
・課題本:『ビック・ピクチャー』(エドワード・J・エプスタイン 著、早川書房、2006年)
・発表範囲:25章、26章
[概要]
ハリウッドでは商業的利益だけを追い求める姿勢に対し、ホモ・ルーデンス的遊びの着想から、非生産的とも取れる活動を制作者や出演者が行うことがある。
反面、映画にはいたるところに欺瞞があり、印象操作や収益に関わる点の改ざんが横行しているという現状がある。

(3) 高野グループ
・発表者:佐伯、高野
・課題本:『イギリス近代出版の諸相』(清水 一嘉 著、世界思想社、1999年)
・発表範囲:10章、11章、12章、13章
[概要]
第10章、第11章
19世紀末、イギリス発の叢書『エヴリマンズ・ライブラリー』が編纂される。内容はロマンスや詩、哲学など。2度の世界大戦ののち、1956年に1000巻を発売し完成。
イギリスでは16世紀より自費出版の文化『ヴァニティ・パブリッシング』が見られるが、著者の虚栄心を利用した悪徳抽象出版社による詐欺が横行。1883年にイギリス作家協会が設立され作家の権利を守る体制ができた。
第12章、第13章
詩人には理解者は少なく、市場規模としても縮小する一方であり、詩人とは一般に古典的な詩人を指す。詩の勢いは新しい物好き勢力を如何に取り込むかにかかっている。詩の読者が増えるのは戦時などの非常事態であり、そのような環境では読者は詩に慰安を求める傾向にある。
翻訳家は低賃金で働かざるを得ない時代が長らく続き、力のない存在であった。
1958年翻訳家協会が設立され、翻訳家の名前を載せる、賃金の上昇などされたが、一度きりの賃金支払いなどの部分は改善されることはなかった。

3 反省
発表後の質疑が少なかった。4年生発表の段取りが良くなかった。

作成:斎藤
編集:高野