about 江下ゼミ

ここで言及しているゼミとは、明治大学情報コミュニケーション学部において江下が担当する問題分析ゼミナールです。ゼミは非公開ですが、明治大学在学生にかぎり、見学を認める場合があります。席を確保する都合上、見学希望者は事前にかならず問い合わせてください。なお、通常のゼミ以外にも外部講師を招いた研究会を随時実施しています。こちらは外部に公開する場合があります。

連絡先:駿河台研究棟507号
江下研究室

おもなコンテンツ
  • ゼミの活動記録
  • グループ活動の成果
  • ゼミ生によるブックレビュー
  • ゼミ生の個人研究
  • 指導教員の研究報告
  • 外部講師の紹介
  • ゼミ関係のイベント報告
このコーナーについて
2008年度問題分析ゼミ
  • このコーナーに掲載されているコンテンツは、問題分析ゼミ(3年次対象)の活動報告が中心です。
  • 1年次対象の基礎ゼミ、2年次対象の問題発見ゼミに関する情報は、「sic info」コーナーに掲載します。
  • 当サイトに掲載されている文書・図版・写真等の著作権・肖像権・所有権等は、すべて正当な権利者が保有します。無断使用・無断転載をお断りします。

ゼミの活動
  • 前後期の定例ゼミ
  • 外部講師による研究会
  • ゼミ合宿
  • 企業研修
※ 定例ゼミ以外はすべて学生による自主的な参加を原則にしています。
問題分析ゼミのテーマ
研究領域
  • 社会ネットワークの解析
  • 近代社会のメディア史
  • 情報化の進展シナリオ
  • 情報メイブンの役割
  • 娯楽産業のイノベーション
  • 国民的アイドルの誕生と消滅
  • 大衆文化における雑誌の役割
  • チャットの歴史
  • 仮想社会の社会史
  • 少女文化の社会史
  • ヤフオクの消費行動

重点スキル
  • 文章読解・作成
  • プレゼンテーション
  • インタビュー調査
  • 質問紙調査

2017年04月25日

2017年度の問題分析ゼミ第2回の議事録です。

日時:2017年4月18日(火)15:20〜19:50
場所:明治大学リバティタワー13階1131教室
参加者:20名
江下、鈴木グループ(6)、西村グループ(5)、乗岡グループ(5)、上杉グループ(4)
欠席者:1名
 
1. グループ発表
(1)鈴木班
発表者:新見、井上
課題本:『青年と雑誌の黄金時代』(佐藤卓己 著 岩波書店、2015)
発表の範囲:第一章『蛍雪時代』、第二章『葦』/『人生手帳』
【発表の概要】
第一章:受験雑誌『蛍雪時代』は「勉強十戒」が定番であり、大学の大衆化が読者層  の大衆化を誘発した。戦前と戦後では受験雑誌の断絶はなく連続性のあるもので、読者層の下方展開を遂げた。『蛍雪時代』は孤立しがちだった読者にラジオ的受験生的公共空圏を与えた。受験雑誌が衰亡した今も学校秩序の中で『蛍雪時代』は地位を確立している。
第二章:進学を断念した勤労青年の進学できなかったことへの鬱屈を背景に人生雑誌は存在した。特徴は教養主義、読者共同体への参加感覚、左寄りの論調であった。高度経済成長による進学率の上昇、「政治の季節」へのミスマッチにより、読者離れが進んだ結果、健康記事の増加が進み、『健康ファミリー』へ誌名変更に至った。戦後の大衆の関心が公的・形而上的なものから私的・実利的なものへと移ったと考えられる。
 
(2)上杉班
発表者:田川、横山
課題本:『平凡の時代』(阪本博志 著、昭和堂、2008)
発表の範囲:第一章
【発表の概要】
『平凡』とは1950年代に最も読まれた大衆雑誌で、マスマガジンとして大衆の支持を得た。従来、1950年代は左右対立・過渡期との認識で、知識人と働く若者の間には文化の断絶が存在していた。1950年代をエリート中心の歴史ではなく、働く若者の存在に注目すると、『平凡』は大学生と働く若者の断絶を超える可能性を持つメディアであったと言える。
 
(3)西村班
発表者:唐沢、西村、福田
課題本:『族の系譜学』(難波功士、青弓社、2007年)
発表の範囲:結語、第三章、第四章
【発表の概要】
・結語
若者の間に流行ったサブカルチャーは文化の階級の意味は消失した。メディアの介入により世代、性別の壁がなくなり、年齢層が広くなった。これらの人々が自己定義のためにサブカルを用いるようになった。はみだすためのサブカルは社会に馴染むためのものになり、アクセサリ化が進んだ。
・第三章「太陽族の季節」
小説・映画の「太陽族の季節」は爆発的流行を遂げた。その映画に登場する石原裕次郎を真似る若者たちは「太陽族」と呼ばれた。終戦まで日本には青年期が存在せず、若者は一人前の人格として認められていなかったが、義務教育の浸透・アメリカ文化の受容によって独自のユース・カルチャーを表現し、自己主張を獲得した。
・第四章「みゆき族というストリート・スタイル」
1964年、銀座に集まるハイティーンの男性で構成された若者が「みゆき族」として話題になる。この現象は階級に捉われず任意に選択できる「世代」へ推移を表した。この特徴は偶像を持たず、「ストリート」発祥であること、FOR・MEN雑誌を筆頭とするメディアによりその場にいない人にも情報が共有され、敢えての「場のそぐわなさ」を追求していた。戦後の健気に生きるという通念を根本から揺るがすカルチャーであった。
  
(4)乗岡班
発表者:室井・井上
課題本:『雑誌メディアの文化史〜変貌する戦後のパラダイム』(吉田則明・岡田章子著、森話社、2012年)
発表の範囲:第一章 戦後パラダイムと雑誌「1950年代『週刊朝日』と大宅壮一」「高度経済成長の到来と週刊誌読者 総合週刊誌とその読者であるサラリーマンを中心に」
【発表の概要】
・「1950年代『週刊朝日』と大宅壮一」
大宅壮一は『週刊朝日』の中で「群像断裁」を記した。内容はメディアの台頭において転換した人間偶像を自ら選択し、描き出したものだった。その意図は私たちがどう把握し、どのように選択して歩みを進めていくのか問いかけるものだったと考えられる。
 
2 発表に対する先生からのコメント
概要は目次ではないことに注意して作成すべきだ。
発表の対象となる雑誌だけに着目するのではなく,他の雑誌との関係性を見ることも大切である。
発表を聞きながらメモを取る際,配布資料ではなくマイノートに記録するよう意識する。
 
以上
 
文章担当:上杉班 田川
編集担当:上杉


Copyright (C) Masayuki ESHITA
サイト内検索

カテゴリー(archives)

月別アーカイブス

最近のエントリー(RSS)